JP THE WAVY

日本のヒップホップ界を牽引するラッパー JP THE WAVYが掲げる今後のテーマと、思い描く未来

Text & Photo: Atsuko Tanaka


独自のスタイルと際立つ才能を持ち、シーンの第一線で活躍するヒップホップアーティストたちをインタビューするコーナー「ELITE SESSIONS(エリート・セッションズ)」。記念すべき第1回のゲストは、今日本のヒップホップシーンの中心に立ち、その音楽性と高いファッションセンスに多くの支持を得るJP THE WAVY。

中学生の頃にダンサーとして活動を始め、次第にラッパーの道を志すようになったWAVY、2017年に出した「Cho Wavy De Gomenne」がバイラルヒットし、SALUをフィーチャリングしたリミックスのYouTube再生回数は現在2000万回を更新中。そして2020年4月にファーストアルバム「LIFE IS WAVY」をリリースし、7月に行った初のワンマンライブ(オンライン)では、ARやCGなどの最新技術を駆使したパフォーマンスを展開し話題を呼んだ。さらに2021年は、EP「WAVY TAPE 2」を出し、「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」のサウンドトラックに唯一のアジア人として抜擢されたり、「GQ MEN OF THE YEAR 2021」のベストラップアーティスト賞を受賞するなど、その活躍ぶりは加速するばかり。

そんなWAVYが、今年初となるシングル2曲を2月末にリリース。若手のラッパーやプロデュースを起用した理由を始め、曲づくりに感することや、彼の半生、活動を通しての気づき、国内外のヒップホップカルチャーについて思うことなどを聞いた。


―新曲について伺いたいです。まず、「We Comin’ (f**k dat s**t)」は出だしからめっちゃいい感じですが、初めてビートを聴いた時はどう感じましたか?

これで作りたいなって思ったっすね。今までああいうメンフィスのビートでやったことがなかったから、すごい興味はあって。俺は日本人でアメリカに住んでたわけじゃないし、自分の地元の音楽ってないじゃないですか。だから好きな地域の音楽でいっぱいやりたいと思ってて、今回はメンフィスで行こうと。

―プロデューサーのTigaoneさんと曲を作るのは、「I WANT ONE」以降2度目ですよね。もう慣れた感じでした?

そうですね、彼はかなりいいビートを提供してくれるんで。

 

―ビートは知らない人からも色々送られてきたりします?その中でもこれいいって思えるものは少ないですか?

結構来ます。ビートの好みは人それぞれあると思うけど、俺がすげぇヤバいと思うものはそんなにいっぱいはないっすね。Tigaoneは、「I WANT ONE」の時にビートをたくさんもらってて、いいなって思って、今回はこっちからメンフィスぽいビートでオーダーして作ってもらいました。

 

―曲、短いですよね、 2分ないくらい。

“勢い”みたいな感じ。時代っすね。でもアメリカとかの流れを見てると、これからまた長めになっていくんじゃないかなと思うけど。 

―もう一曲は、タイトルが「Sushi」ですが、なぜ?

毎回スタジオに入って、遊びじゃないけど、ノリで作るみたいな部分が大きくて。前もってコンセプトを決めてっていうんじゃなく、その場で作って、今回はサビでもスシって言ってるし、これはもう「Sushi」だなって。

 

―Candee & Deechさんとは今回初コラボだそうですが、どういう経緯で?

すごい前からチェックしてて、この二人いいなって思ってて。ずっとそう思いながら声はかけてなかったんですけど、この曲にハマりそうだなって思ったタイミングでインスタフォローして、「良かったらやってくれない?」ってメッセージを送って。

 

―彼らも、いきなりWAVYさんから連絡が来てビビったんじゃないですか?

聞いた話だと、二人で15時間ぐらいスタジオに入ってそのまま録ったみたい。すげー気合い入れてくれたんだって思って嬉しかったです。めちゃめちゃいいヴァースが来て、本当に最高です。

 

―プロデューサーのineedmorebuxさんとも今回が初めて?どうでした?

彼はまだ19歳で、すごい若いんですよね。音がめちゃめちゃ US で、最初すごいびっくりして。海外はまだ行ったことないみたいだし、普通に自分の家の中でずっと毎日ビートを作ってて、それであのUSな感じが出せるってマジで超好きでやってんだなって思ったし、刺激になりますね。この間初めて会って、本当にヒップホップの音楽も、ファッションもカルチャーも好きなんだろうなっていうのが伝わってきました。髪がめっちゃ長くてびっくりしたけど。スタジオから出てないんだねって(笑)。

 

―いいですね!アートワークもとてもかっこいいですが、アイデアはどのようにして?

自分と、いつも一緒にいるみんなでアイデアを出し合って。ミュージッビデオのいちシーンを切り取ってジャケっぽくしました。デザイナーのDOPEくんは、ジャケだったりデザイン周りをいつもお願いしてる人です。

―WAVYさんは、リリックはいつも思いついたら書き留めておくタイプですか?

前はそういうこともしてたんですけど、書き留めておいたメモを見返すことがなかったことに気がついて。今はスタジオでビート聴いて、そこで初めて書くって感じですね。

 

―いつもクリエイティブでいるために気をつけていることはあります?

なるべく楽しくすること。友達と遊んだり、ご飯食べたり、買い物したり。同じ毎日を繰り返しちゃうと、そこからラッパーモードに入っていくのが難しくなるので、常に刺激を求めてます。コロナ後はあんまり色々行けてないので、都内で買い物とか、制限はされちゃいますけど。アメリカに行きたくてしょうがないすね。やっぱLAとかに行ってる時の方が、歌詞とかめちゃめちゃ出てくるし、制作が楽しい。

 

―では、話は昔のことに戻って、幼い頃のことを聞かせてください。湘南の平塚出身だそうですが、どんな子供で、どのような環境で育ちましたか?

普通だと思います。全然ハードな人生でもないし、だからってすげぇお金持ちの家で何不自由なく育ったとかでもないし、本当に普通の家庭だったかと。俺自体は静かな子供だったのかな。でも、小さい頃の写真を見ると、くそ笑ってる写真ばっかなんですよ。何にそんな爆笑したのかは覚えてないんですけど。

―ご両親にはどんな方でどのように育てられましたか?

やりたいって言ったことはやらせてくれました。当時はあんまり意識してなかったけど、両親はヒップホップとかブラックミュージックだったり、それ以外もロックとか、アメリカや海外の音楽を聴いてましたね。

―何か記憶に残ってる曲はありますか?

アフリカ・バンバータの「Planet Rock」と、グランドマスター・フラッシュ・アンド・ザ・フューリアス・ファイブの「The Message」。

―自分で聴いてた曲はどんなものが多かったですか?

最初はJ Popだったり、日本で流行ってた音楽が多かったですけど、小学校6年生でエミネムの 「Lose Yourself」 が確か Apple の CM で流れてて、それでかっこいいなと思って。日本のヒップホップは、 RIP SLYME とか TERIYAKI BOYZ ® とか色々聴いてたけど、海外のは自分では全然聴いてなかったんで。それに、その時はまだヒップホップが何かとかもわかってなかったし、かっこいいから聴いてた感じです。

 

―それでエミネムをきっかけに、海外のヒップホップも聴いてみようと。

そうすね。そのちょっと後くらいからダンスを始めて、もっと色んな曲を聴くようになりました。小学校からの幼馴染がずっとヒップホップダンスをやってて、誘われてかっけぇなって思って、地元のダンススタジオに習いに行くようになったんです。中1の頃すね。毎日通ってました。

―その時は将来ダンサーになりたいとか思っていたんですか?

そんな将来のことまで考えてなかったけど、もっと上手になりたいなって思って、中高はどっぷりダンスにハマりました。その頃、「スーパーチャンプル」とか、テレビでダンスの番組がやったりしてたんで、そういうのに出たいなって憧れたりもしました。

 

―Do The Right Inc.(D.T.R.I)というクルーで活動していた時期もありましたね。いつ頃から?また、きっかけは?

高校卒業した18の頃からですね。 リーダーのHKARUさんのレッスンに通ってて、発表会に出そうと思ってるんだけど良かったら出る?みたいな感じで声がかかって、男20人ぐらいの発表会みたいなのに出て。その後も最初は遊び感覚で、みんなで深夜に集まって踊ったり遊んだりして、そこからクラブでショーに出るようになったりして、気づいたらラップやってる人がいたり、HKARUさんは元から歌をやってたし、みんなで曲と MVを 作って出そうってなりました。俺はその時はまだ自分で録音するくらいの程度で、ラップはあまりやってなかったです。

左:ダンスにハマった中1の頃 右:Do The Right Inc.のメンバーとして活躍していた頃

―そんな感じで、高校卒業後はどうされたんですか?

毎日ダンスするか、渋谷に行って、本当はダメだけどクラブに行くか、日雇いのバイトして1万ゲットして原宿行ってみたいな生活が結構続いたかな。

 

―服屋でバイトをしていた時期もあったんですよね?

そう、服は大好きだったからアパレルの店員はちょーやりたかったんですけど、バイトの面接に全然受からなくて。だから派遣だったり、日雇いの建築とか解体とか、そういう肉体労働系しかできなかったんです。そうしたらある時、俺の後輩でダンサーだったvividboooyがオフホワイト(Off-White)で働いてるっていう話を聞いて、同じ会社の中のブランドがポップアップを出すんで、そのスタッフを募集してるってことで、彼の紹介で面接に行って受かって。

 

―それでバイトをしながら、ダンスも続けて?

もうその時はダンスはほぼやってなかったっすね。その2、3年ぐらい前から、ダンスよりラップに気持ちが行って、いろんなクラブでライブしたりしてました。でもラッパー界のことを全然知らなかったし、ずっとダンスのイベントとかで、店がオープンして最初とか真ん中辺の時間とかでライブをやるって感じで。チケットのノルマをさばかないといけないけど、人誰も来ないしみたいな、本当に大変でしたね。あの頃には絶対戻りたくはない。でも、その頃があったのと、ダンスをやってたからステージに出て人に見られることには慣れてたんで、「Cho Wavy(Cho Wavy De Gomenne /2017)」 が当たってライブのオファーが来た時も、抵抗なくすぐできたんだと思います。

―WAVYさん的に、Cho Wavyはあんなにヒットすると思ってました?MVをアップして、その日に結構バーンと行った感じ?

あんなになると思ってなかったです。あれでめっちゃ変わりましたね。いつもだったら曲作ってアップしても、ビュー数は1日10回とかで、100回行ったら超最高ぐらいの感じだったんで。Cho Wavyは、アップして次の日起きた時にはその倍以上になってて、Twitter にも結構出てくるし、何が起きたんだろうって感じでした。

―だからと言って、ラッパーとしてやっていけると確信したわけではなく?

ある程度手応えは感じたし、すごいことになってると思ったけど、その一曲だけで生活が変わるとは思ってなかったです。だからその後も変わらずアパレルのバイトは3、4ヶ月やってました。朝普通に出勤して仕事して、夜はイベントとか撮影があって、寝ないでまた仕事行ってみたいな感じだったんで、結構キツかったっすけど。その後、SALU君とのリミックスを出して、それでまたさらにバーンって行って、都内で1日にライブ2、3回とか、地方にも毎週末行ったりするようになって、もしかしたらもうバイトしなくてもいけるのかなって思って。ポップアップのバイトは元々3ヶ月だけだったし、じゃあこのままバイトしないでやってみようかなって。

 

―それでバイトは辞めて、音楽だけでやっていこうと。

そうすね。でも、そう思う一か月前ぐらいまでは、普通にアパレルの正社員になろうと思ってました。あの曲がヒットして、日本中のいろんな所や、韓国とかアジアにも行ったりして、反応がすごくてびっくりした。

 

―ラップを始めた当初、大きな影響を受けたアーティストは誰かいましたか?

自分がラップを始めた時はNew Westからトラップになっていく頃で、当時めちゃめちゃ勢いあったのがA$AP Mobとか、タイラーとかだったんで、その辺ですかね。

―それからずっと順調に来て、5年くらい経ちますが、これまでの活動を振り返ってみて、ターニングポイントとなった出来事を挙げるとしたら?

LAに行った時かな。アメリカはずっと憧れてたけど行ったことがなくて、Cho Wavyを出した次の年頭に、とりあえず行こうって友達とLA に初めて行ったんです。その時に、色々と肌で感じられたのがターニングポイントになったと思います。Gab3っていう日本で仲良くなったラッパーと一緒に曲を録ることになって、俺は英語全然喋れないし、エンジニアとかはみんなアメリカ人で日本語わからないのに、俺がブースに入ってラップしたらスタジオにいた全員がブチ上がって。それを見てアドレナリンなのかドーパミンなのか、めちゃめちゃ出ました。アメリカは、行くと毎回嬉しい出来事とか、人生観が変わるようなことがあるっすね。2回目に行った時は、たまたま同じスタジオでレコーディングしてたガンナ(Gunna)に会えたし。向こうって買い物とかしてても普通に有名なアーティストがいたりするし、距離感が日本より近くて、マジで気合い入れれば誰でも会えるんじゃないのかなって思いますね。それが本当に新鮮っていうか、めちゃめちゃ刺激になる。

 

―運とタイミングもあるかもしれないけど、そうですよね。

俺、めっちゃ運あるんで。アメリカ限定ですけど(笑)。コンプレックスコンに行った時はファレルやNIGO®さんとも会えたし。ファレルに会って握手したら、その次の日から日本帰るまでの4日か5日間、ずっと熱出てました(笑)。

 

―最高ですね!では、今までの活動を通して最も嬉しかったことは?

ラップを始めた18の頃から、有名になりたいとか、すごい売れたいってずっと思ってたけど、どうにもヒットしないし、周りからは頑張ってるよねくらいで誰もヤバイって言ってくれなくて、ずっともっと上にいきて〜って思ってたんで、今こうなって、みんなが自分の曲を聴いてすごい最高ってブチ上がってくれるのはめちゃめちゃ嬉しいです。あとは、日本でも海外でも、自分がリスペクトしてる人たちに認知されてたり、いいねって言われるのも本当に嬉しい。

 

―今まで活動を通して挫折を感じたことはありますか?

悔しいと思うことはいっぱいあったけど、挫折はないかな。26ぐらいになるまでにどうにもならなかったら、別の道に進もううかなみたいなことは考えてましたけど。親が車の仕事をやってたからそれを継ぐとか、ファッションがすごい好きだから正社員になるのもいいかなって思ったり。でも、諦めなかったすね。

 

―WAVYさんが曲を作る上で一番大切にしていることを教えてください。

楽しくてポジティブな音楽を作ることですかね。俺は生い立ちがハードなわけでもないし、自分の内面をすごいさらけ出して面白いものができるわけでもないと思うし、やっぱりダンスやってたから踊れる曲を作るのが一番楽しいんで、それが自分のやるべきことなのかなって思います。

 

―今、日本のヒップホップシーンの中心にいて、Cho Wavyを出した頃と今を比べて大分変わったと思いますけど、どのように見ていますか?

中心にいるなんて恐れ多いですけど、若い子がめちゃめちゃ増えましたよね。俺が出た時は、若い子って言ったら、kZmだったりkiLLaだったりBAD HOPとか、本当に数えるぐらいしかいなかったと思うんですよ。今は本当にどんどん出てきて、マジでいい時代になったと思う。そうやってみんなのスキルがどんどん磨かれていって、本物がいっぱい出てくるんじゃないかなと思います。

 

―逆に、新しい子たちがどんどん出てきて焦ることはないですか?

俺ももっと頑張らなきゃって、年下でも全然関係なく刺激は受けますね。今年29になるんで、これから歳を重ねていくごとに、 OG になる準備じゃないけど、若い子たちをもっとフックアップしていかないとっていうのは最近のテーマの一つとしてありますね。アメリカだとそれが当たり前じゃないですか、自分の地元のやつだったり、同じレーベルのやつとか。そうやって若い子がスターになっていくのを見るのは楽しいし、自分もそういう活動ができたらいいなと思います。

 

―日本と海外のヒップホップシーンやカルチャー、それぞれについて思うことは?

日本はさっきも言った通り、毎年盛り上がってきてるんで、このまま良い方向に進んでいけばいいなと思います。その為に自分ができることは少しでも貢献したいすね。海外は、人が死に過ぎじゃないですか。ラッパーがどんどん死んじゃうのは悲しいんで、そこはマジでどうにかならないかなって思う。

―アメリカ以外の国のラップも色々聴きますか?今アツいと思う国は?

常にたくさん聴いてるわけではないですけど、アメリカはもちろん、アジアとか他の国もチェックしてます。アジアで言うと、韓国とか中国もいいけど、ダントツで一番は日本だと思う。日本はラッパーの数がめちゃめちゃ多いし、東京だけでもいろんなスタイルがあって、ちょー現行のトラップをやってる人もいれば、90年代のブーンバップをやってる人もいて、両方すごい盛り上がってるし。最近だとヨーロッパのドリルとかグライムをやる若い子達もすごく増えてきてますよね。Cho Wavyを出した頃なんて、グライムをやってる人は本当に少なかった。俺も挑戦してみようと思ったけど、ちょっとハードル高いなって結局やらなかったですけど。

 

―今後日本のヒップホップシーンがこう変わったらいいのにと思うことはありますか?

悪くならなければなんでも最高だし、シーンが大きくなった先を見てみたいですね。もっとでっかくなって、「ULTRA」ぐらいでかいフェスをやっても全然盛り上がっちゃうみたいな。誰でもヒップホップが好きなのが当たり前になった時に、ずっと昔からヒップホップが好きだった人たちも含めて、みんなの変化がいい方向に行くのかどうか、気になります。

 

―ご自身の音楽スタイルを一言で表すとしたら?

ノリ。

 

―自分のリリックで一番好きなものは?

胸を張ってこのラインですって言えるのはまだないかも。そこに関しての自己肯定感があまりないって言うか、ちょっと恥ずかしがりみたいなとこがあるかもしれないすね。次までに、自信満々のラインを作ります。

 

―最近WAVYさんの中で流行っている、一番よく使う言葉と言ったら?

「去年の倍」。そういう面白いワードを一個見つけたら、結構頻繁に使います。

 

―自分のMVで一番好きな作品はなんですか?

全部好きですけど、一番はCho Wavyかな。SALUくんのリミックスの方ももちろん好きだけど、オリジナルのが一番好きです。

 

―WAVYさんはファッションアイコンでもありますが、最近好きなスタイルやブランドを教えてください。

好きなスタイルは基本的にはあんまり変わらないですけど、ここ最近はまたハイブランドを着るようになりました。去年とか一昨年とかは、例えばHUMAN MADEだけを着たりとか、アメカジとか古着っぽい感じが多くて、最近はそういうのにハイブランドを合わせたりしてます。ブランドで言うと、ヴィトン、グッチとか、そういう分かりやすいのが多いですね。

 

―曲作りで煮詰まった時は、ショッピングに行くとインスパイアされるとか。

ソッコー行きます。この間は、買い物じゃないけど渋谷でチキンアンドワッフル食べたら、一曲書けた。ヒップホップの要素が1ミリでもある何かを求めてるみたいっす(笑)。

 

―ファッションのお手本にしている人は?

いっぱいいて、この人だけっていうのはないです。NIGO®さん、VERBALさんとか、日本のストリートカルチャー、ファッションを代表する人たちもすごい参考にしてるし、アメリカだったら、NBA選手とかアメフトの選手も、誰だってかっこいいじゃないですか。ラッパーもみんなおしゃれだし、カニエ、A$AP、タイラーとか、お手本になる人はたくさんいます。

 

―一番大切にしているアイテムは?

このネックレスかな。こういうのを作るって、ずっと憧れてて。これからも増やしていきたいすね。

―では、WAVYさんご自身が思う自分はどんな人?

静かな人(笑)。でも、いつから俺こんな静かになったんだろうって思うんすよ。まあ昔からあんまり変わってないんだろうけど、コロナ後は家にいることが増えたから、拍車がかかった気がします。今年はステージ上でもステージの外でも、ぶち上がりたい。

 

―これだけは他人に負けないと思う点は?

何か目標とか、やると決めたら絶対に達成させる。そういう気持ちは負けないと思います。

 

―尊敬する人や憧れる人は?

ラッパーではないですけど、日本だったらやっぱりNIGO®さんですかね。アメリカのヒップホップコミュニティでリスペクトされてることもすごいし、モノづくりにもめっちゃこだわって、すごくかっこいいものを常に作っていて、服でも何でもディぐる能力というか、オタク気質な感じとか、本当に熱がないとできないことだと思うんで、すごい尊敬してますね。

 

―NIGO®さんにもらった言葉で胸にグッときたものなどありますか?

まだちゃんと話したことがないんですけど、去年、非売品の服をもらって、嬉しすぎて、自己紹介を含めてお礼のDMをしたら「もちろん存じ上げております」って返信が来て、ひっくり返りそうになりました。

 

―最近自分や周りに起きた出来事で一番笑えたことは?

いつも笑ってるんだけど、何かって言われると難しいすね。暗い世の中だけど、一旦そっちのことは考えないようにしたら、毎日がめっちゃ楽しくなりました。コロナの感染者数が増えたとか、まん防がとか言われても、いちいちそれにくらってたらきりがないので、今自分ができることをやるしかないですね。

―今気になるアーティスト、よく聴いている曲は?

国内だったら、今回一緒にやったCandee & Deechもそうだし、この前TikTok でオーディションをやった時に見つけたIssei Uno Fifthもめちゃめちゃ未来を感じますね。海外で言うと、この間「DONDA 2」を出したカニエには一番注目してます。NIGO®さんが出すアルバムもすごい楽しみです。

 

―今後フィーチャリングしてみたい人や、一緒に曲を作ってみたいプロデューサーはいますか?

たくさんいて、アメリカの人達で言うと無限にいますけど、一番って言ったらファレル、カニエとかですかね。自分が中学生の青春の時期にすごく聴いていた人たちで、今でも第一線にいる彼らとできたら最高ですね。

 

―今世界で起こっていることで気になることは?

この前誰かのストーリーズで見たことで、日本がコロナ支援でカンボジアに200億円追加融資したらしいんですけど、カンボジアの大統領が記者会見をやった時、パテックの6億ぐらいの時計をしてたって。それが俺の中で一番ホットなニュースです(笑)。

―住んでみたい国や場所は?

アメリカ。まだLAとテキサスにしか行ったことないんで、どこに住みたいかはわからないですけど、ニューヨーク、アトランタ、マイアミとか、行きたいところだらけですね。

 

―これから実現したいと思っている夢や目標を教えてください。

世界でぶっかましたいです。もっとヒットを作って、TERIYAKI BOYZ®がアメリカで流行ったり、NIGO®さんがリスペクトされてるみたいに、そういうラッパーになりたいですね。どうしたらなれるのかはわからないですけど、今まで通り何も怠ることなく、変わらず続けることかなって思います。

―変わらず続けていくために、日々の習慣にしてることはありますか?

ここ最近は、体の調子を変えるために炭水化物を取らないようにしてますけど、まだ始めて1 ヶ月くらいのことで。変わらずやってることと言ったら、コーヒー飲んで、友達と会って服の話をするとかですね。

 

―最後に、WAVYさんにとってヒップホップとは?

難しいけど、俺の人生これしかないって、このカルチャーの中にずっといたいって思えるものです。


We Comin' (f**k dat s**t)


1. We Comin' (f**k dat s**t) (Prod. Tigaone)
2. Sushi feat. Candee & Deech (Prod. ineedmorebux)