ブロンクス

開店: 2019年5月1日

業種: 居酒屋

地区: 東京大森

オーナーのモットー: Keep grindin’, Keep hustlin’

Text & Photo: Atsuko Tanaka

大森のある大通りから少し外れた所に佇む居酒屋「ブロンクス」。ヒップホップヘッズなら、店の名前を見聞きしただけで何かを感じるに違いない。オーナーのスミスは、この近辺で生まれ育った。ヒップホップを好きになったきっかけは、中学の頃に聴いたキングギドラや、ケーブルテレビで見たUSラッパーのMV。「何だこれ!」と衝撃を受け、それ以降はブレイクダンスやラップをしたり、オタクと言われるほどレコードを掘りまくった。高校を卒業後は短大に通い飲食店でアルバイトを始める。その後もんじゃ屋に就職し2年働いたのちに、五反田で間借りして居酒屋をスタート。3年経った頃、昔からの夢であった自分の店をオープンすることを決意した。

 

―この店をオープンしたきっかけについて教えてください。

10代から色んな飲食店で働いてきましたが、昔からいつか地元でイケてる店を作って商売したいというのは考えてました。それで30歳の時に、いい加減独立して店をやろうってかなり突発的な勢いで始めて。物件を決めるところからオープンまで、仲間たちには色々サポートしてもらって本当に助かりました。

 

―店のコンセプトは?

大衆酒場をうたっているので、ポピュラーだけど非現実的な空間、尚かつ飯は美味いっていう最高にイケてる居酒屋をコンセプトに日々頑張ってます。若い子はもちろん、サラリーマンのおっちゃんがちょっとカッコつけて会社の仲間とかを連れて飲みに来れる店みたいなイメージですね。

 

―店名はなぜ「ブロンクス」に?

自分でやる初めての店なんで、ヒップホップのルーツであるブロンクスがいいなと思って。ちなみに書体は映画「ゴジラ」から取ってます。

―そうだったんですね!店名から入ってくるヒップホップ好きなお客さんはいますか?

あんまりいないですね。大森ってヒップホップとかストリート系な感じじゃないんで。友達に「この店やるなら大森じゃないっしょ」ってよく言われます(笑)。でも、たまにおじさんで「ブロンクスってあれだろ」みたいな、気づく人もいます。あと、この前はどこかからうちのことを聞きつけてDJマスターキーさんが来て、ここで投げ銭ライブをしてました。

 

―それはすごいです(笑)。ところで、店内のグラフィティは誰が描いてるんですか?

知り合いから繋がったKCALSと、近所に住んでるSubetemayakashiっていうアーティストに描いてもらいました。所々に描いてあるタギングはお客さんとか友達が描いたものです。

 

―ウルトラマンも目を引きますが、好きなんですか?

好きですね、特撮系もオタクなんで。もともとフィギュアはいっぱい持ってたんですけど、コロナ禍になった頃から暇で売ったり買ったりしてたら止まらなくなりました(笑)。店で売ったらおもろいかなって思って、「ToysHustlers」っておもちゃコーナー設けて売ってます。あと売り物で言うと、LAに住んでるデザイナーにお願いして作った、オリジナルのTシャツとキャップもあります。

―では、店の人気メニューを教えてください。

鮮魚盛り合わせ、鶏レバーごま油、鶏の唐揚げ、街中華のチャーハンです。鮮魚は毎日市場で直買したもの、鶏レバーは朝めの新鮮な信玄どりを毎日仕入れて作ってます。唐揚げは自分の好きな味付けをしてるだけでそんなに拘ってはいなかったんですけど、お客さんの間で上手いって勝手に評判が一人歩きして(笑)。チャーハンは友達がやってる中華屋でレシピを覚えて、作ってみたら結構再現できたみたいな感じですが、これも人気ですね。

―今までに店で起きた出来事で、印象的な出来事や嬉しかったことは?

店を始めて1年くらいでコロナ禍になったんで、この先どうなるんだろうってビビりました。結果大丈夫で良かったですけど。嬉しいことは、ラップをやってた頃につるんでたような10代の頃の友達が突然店に来てくれること。そういう時は昔話が止まらなくなりますね。

 

―店付近のエリアはどんなところですか?

住宅街だけど、駅付近なので飲み屋とか会社も沢山あります。かなりローカルな場所ではありますが、遊ぶには困らない街なのかなとは思います。

 

―今度、初めてこの店を訪ねてみようと思っているお客さんにメッセージをお願いします。

鮮魚刺しと鶏レバーはウチの鉄板メニューなので是非ご賞味ください!大森らしからぬ店構えではありますが、独特な雰囲気と美味い料理で、しこたま呑んで楽しんでいただきたいです。女性の方にはもちろん店主から色々サービスが出ます(笑)。

ブロンクス

Address: 東京都大田区大森北1-29-9 M’s D B1F

Phone: 050-5457-9196

営業時間: 17:00〜1:00

定休日:不定休

Instagram: :@bronxomori