HARBOR'S BARBER SHOP

開店: 2016年8月2日

業種: 理髪店

地区: 神奈川県横浜市

オーナーのモットー: 僕がカットした髪が一番の宣伝!

Text & Photo: Atsuko Tanaka

横浜で生まれ育ったBiggie(ビギー)が6年前にオープンしたHARBOR'S BARBER SHOP。彼が手がけるフェードカットは評判で、客が新たな客を連れてくる。店内は90年代のヒップホップが流れ、当時のニューヨークの匂いを感じてタイムトリップしたような気分になる。とても居心地が良い店だ。

高校生の頃から洋服が大好きだったBiggieは、当時通っていた洋服屋の店員にヒップホップやアメリカのカルチャーを教えてもらい、興味を持っていった。高校を卒業後は服飾の専門学校に進学を考えたこともあったが、介護の職に就き、厳しい現実を知って悩んだ末に、本当の自分のやりたいことをやろうと誓う。その頃から自分の髪を自分で切っていた。周りを見て、洋服は着飾っていても、髪型がキマっていない人が目につく。そこにチャンスを見つけた。

―店をオープンしたきっかけについて教えてください。

高校生の頃からヒップホップが好きで、MVに出てくるラッパーたちを見て、なんで彼らの坊主の刈り上げはこんなに綺麗で、額のカットラインが真っすぐでカッコいいんだろうと思っていたんです。日本の床屋さんで切っても思いどおりのカットにはならなかったので、バリカンを買って、当時はまだ珍しかったYouTubeのチュートリアル動画を見つけて自分の髪を切ってみました。周りも同じような思いをしてる人が結構いたし、バーバーになるのはいいんじゃないかと思って、25歳で理容学校に通って、卒業後に床屋さんで2年ほど経験を積んだのち、自分の店をオープンしました。

 

―店のコンセプトは?

昔から「社交性を学びたければ床屋に行け」と言われるぐらい、床屋は地域に欠かせない男の社交場なので、髪を切るだけじゃなく、いろんな相談だったり、時にはくだらない話しをしたりをする場所ですね。

 

―店で流れている音楽もそうですが、雰囲気がまさに90年代のニューヨークですね。

僕のヒップホップ への入り口はファッションだったんですが、周りの人にカルチャーについて色々教えてもらって、ウータンやモブディープとかを聴いてハマっていきました。ちなみに僕のあだ名の「Biggie」は先輩につけられたもので、全然似てないのに、僕がでかいからか、当時ハンチングを被ってたからなのか、ある時「お前、Biggieな」って言われて(笑)。今でもみんなにそう呼ばれてます。

―自慢のカットメニューはなんですか?

フェード(Fade)というカットを売りにしてます。アメリカのバーバーでは基本のカットの仕方で、日本でいう刈り上げですね。日本の床屋は、クリッパー(バリカン)も使いつつ、主にハサミで刈り上げていくんですけど、アメリカではいろいろな種類のクリッパーを使って刈り上げるので、ハサミの刈り上げとは違う繊細な仕上がりになりバシッと決まるんです。あと、うちの店はラインアップ(フェイスラインのカットを整えること)がヤバいという定評を頂いていて、自分的にも自信があります。

―確かに、Biggieさんのおでこのライン、すごい綺麗ですね!

昔から憧れるポイントだったので、相当研究と練習を繰り返しました。ちなみにラインアップを寸分の狂いもなく真っ直ぐにして、フェードのグラデーションもパーフェクトな仕上がりにしたカットのことをクリスピー(Crispy)と表現します。スラングで、カット以外にも新しいTシャツやスニーカーなど、フレッシュな物に対して使う言葉で、身だしなみをフレッシュに保つことはヒップホップカルチャーでは大事なことなので、お客さんの髪をクリスピーに仕上げるのが僕の仕事ですね!

 

―お客さんはどんな方が多いですか?

基本的に若い人が多いです。日本人以外も、アフリカ系アメリカ人や中国人、メキシコ人とか、いろんな国の方が来ます。アメリカだと、髪質をよくわかってる同じ人種の人に切ってもらうことが多いみたいなんで、外国人のお客さんは僕が切ることに対して最初は不安だったと思います。でも仕上がりを見てヤバいって、アメリカ人より上手いって喜んでくれるんで嬉しいです。

©️ Harbor's Barber Shop

―今までに店で起きた出来事で、一番面白かったことやクレイジーなことは?

クレイジーな出来事ではないのですが、お店を5年やらせていただいてきた中で、いろいろなお客さんとの出会いがあり、プライベートでも遊ぶぐらい仲が良くなった方も多くいます。お客さん同士が仲良くなることもあって、どんどん輪が広がっていくのが面白いし、そんな場所を皆に提供できてることが嬉しいですね。みんな愛してるぜ!って感じで感謝してます。

―店付近のエリアはどんなところですか?

絵になる場所がとても多いです。昔から横浜は港町だったため、開港後に西洋文化がいち早く入ってきて、1864年頃に西洋理髪の技術も入ってきたので発祥の地とされているんです。そんな場所で理髪業ができることを誇りに思うし、幸せに思います。

―今度、初めてHARBOR'Sさんを訪ねてみようと思っている方にメッセージをお願いします。

お客さんは、インスタを見たり、僕が切った方の髪を見ていいと思って来てくれることが多いです。なので、あまり予約を詰め込まずに、僕自身も納得のいく仕上がりになるよう、時間をかけてカットしてます。容姿を整えるのはとても大切なことですので、そのお手伝いが少しでも出来ればと思っています!


HARBOR'S BARBER SHOP

Address: 神奈川県横浜市西区岡野1-1-30

Phone: 045-294-9249

営業時間: 12時~最終受付20時(定休日:木曜日)

Instagram: @harbors_barber_shop