ILL FROGS
開店: 2019年2月9日
業種: ハンバーガーショップ
地区: 東京都調布市
オーナーのモットー: 元気があれば何でもできる!
Text & Photo: Atsuko Tanaka
中学の頃はバスケ一筋だったと言うオーナーのSHIN1RAW、大好きなNBA のVHSでヒップホップを知り、衝撃を受けて以来虜になった。高校を卒業後は建築会社に勤め、鳶職を経験したのちに、地元調布にあるダイニングバーで働き出す。飲食業は自分に向いていてとても楽しいと感じていたが、一旦トラックの運転手に転向。2年ほど務め、1人でとことん集中した貴重な時間を経て、その後また飲食業に復活した。いろんな店で修行を積み、4年前にグルメバーガー屋「ILL FROGS」をオープン。店のコンセプトや店名の由来、月替りで出しているバーガーの思い出についてなどを聞いた。
―この店を開こうと思ったきっかけについて教えてください。
口の中にたくさんの食べ物を詰め込んで頬張るのが好きで、特にハンバーガーを食べている時に感じる幸せを皆さんと分かち合いたいと思い、自分のハンバーガー屋をやりたいと思いました。ちなみにマクドナルドのハンバーガーはひと口でいけます。昔、マックひと口チャレンジを友達とよくやっていて、成功する人って何だかんだいないんですけど、僕割と余裕だったんです。サイズは今より若干デカかったですが、ダブルバーガーをひと口でいけました(笑)。
―(笑)。ご自身の店を始める前は、いろんな飲食店で働いたんですか?
そうですね、トラックの運転手を辞めたあと、友達がやっていたアメリカンカジュアルダイニングの店で働きました。そこでやりつつ、趣味でグルメバーガーを食べ回って、いつか自分の店を持ちたいと思っていて。その後、友達の店はクローズしてしまったんですが、それからハンバーガー屋さんでの修行が始まりました。最初は日本で一番古いと言われてるグルメバーガー屋の「Homework’s(ホームワークス)」で1年やって、その後「AS CLASSICS DINER(エーエスクラッシクスダイナー)」で1年、「Sun2Diner(サントゥーダイナー)」で1年と、計3年修行して飲食のノウハウも分かってきた頃、この物件を見つけました。
―この店のコンセプトは?
自分の青春の90年代カルチャーを詰め込んだ部屋です。あとは、この辺りがベッドタウンなので、年齢性別問わずいろんな人がゆっくりと過ごせる癒しの空間になるようにインテリアを考えました。自分のできることって、等身大の自分を随時提供しつつ、皆さんと共有することだと思ってます。なので時代を共有するというか、そんな空間にしたいです。
ー実際に自分の店をやってみてどうでしたか?
雇われていた時とはやはり違って、お金の面とかアルバイトの子のことだったりとか、色々気を使う部分はあります。でも、日々自分が進化しないといけないことがやって来る毎日が刺激的で楽しいと実感しています。自分が遊んで目にして口にして感じることを死ぬまでやり続けたいと思っています。
―ちなみに店名「ILL FROGS」の由来は?カエルがモチーフですが。
まず「ILL」は、自分がすごい影響を受けたNasのアルバム「Illmatic(イルマティック)」から来ています。それから「FROGS」は、カエルに何となく興味があって、湿ってる感触が好きで。それでただの直感で決めたんですが、人に説明する時には「お客様が帰ってくるという意味もいいな思って...」と言わせていただいてます(笑)。でもお客様の中にはカエルが苦手な方がいて、壁に描いてあるカエルの絵が見えない席に座らせてくださいとかって言われることもありますね(笑)。
―1番の人気のメニューはなんですか?
自家製ベーコンタルタルバーガーです。肉は、筋を取ってブロック状にしたものとミンチにしたものを混ぜてつなぎなしでやってます。ソースやマヨネーズなどは全て手作りで、ガッツリ食べた感が味わえるよう、レタスやトマト、オニオンとかをたくさん入れるようにしてます。物価が上がってるんで儲けは少なくなりますけど、お客様に来ていただいて驚いていただくのもすごく楽しいので、そこはケチらずやっていきたいです。
―また、月替りで新しいバーガーを出されていますね。ラムレーズン&カヌレバーガーや柑橘ブルーチーズバーガー、オニオンボムバーガーなど珍しいものがたくさんあります。中でも思い出に残るバーガーはありますか?
ギャルバーガーですね。日本のギャル文化って90年代は結構すごかったと思うんですけど、自分が好きな文化でもあるので、ギャルをイメージしたハンバーガーを毎年8月に出してるんです。2年前はティラミスを乗せてドラゴンフルーツでビキニをイメージした、テキーラティラミスバーガーを作りました。そうしたらある日、「今、名古屋から車で向かっているんですけど、ギャルバーガーまだありますか?」って店に電話がかかってきて。名古屋からわざわざギャルバーガーを食べに来てくださった方がいたんです。
―それは嬉しいですね。
名古屋は周りのことをすごく意識するから、あまりぶっ飛んだハンバーガーを作るところがないらしく、うちの噂を聞いて来てくれて。嬉しかったですし、やって良かったなって思いました。でも実はギャルバーガーって、マンスリーバーガーの中で一番出ないんですよ(笑)。今まで一番人気だったので言うと、ポルチーノクリームパスタバーガーですね。
―本当にどれも興味深いです。でも、毎月新しいバーガーを考えるのは大変そうですね。
はい、血吐きそうなくらい考えてます(笑)。インスピレーションが沸く日とそうじゃない日の差が激しいです。本当に美味しいと思えるものを出したいので納得できない時は出さないです。なので先月は出せなかったんですけど、今月はいわしを使ったサルサーディンバーガーを出しました。
―では、今までに店で起きた出来事で、一番印象的な出来事は?
この取材を受けさせて頂けるのもとても嬉しいですが、サンフランシスコに住んでる子が、日本に3ヶ月滞在しにきた時、アメリカで食べてるハンバーガーより美味しいって毎日食べに来てくれたことです。彼はマサイと言うアメリカ人と日本人のハーフで、お母さんが彼に日本の文化を知って欲しいってここの近くに一人暮らしをさせたんですね。彼は絵を描くので、ここで個展をしたこともありました。自分はまだアメリカに行ったことがないんですが、行く時はマサイに会いに行きたいです。
―店付近のエリアはどんなところですか?
日活撮影所と大映スタジオがある映画の街ですが、最近はベッドタウンになってファミリーが増えました。いつかうちの店を映画に使っていただきたいなと思いながらやってますけど、まだその機会は訪れず。4年経っても初めて来たっていうお客様もいらっしゃるので、まだまだこれからだなって思います。
―最後に、今度初めてここを訪ねてみようと思っているお客さんにメッセージをお願いします。
アツアツのバーガーは本当に美味しいので是非食べて来ていただきたいです。フォークとナイフも置いてありますが、バーガー袋に入れて頬張って食べていただくのがベストかなと思います。ボリュームがあるんで食べづらいかもしれないですけど、汚れたらおしぼりは何枚でも出しますので(笑)。ぜひお待ちしております!
ILL FROGS
Address: 東京都調布市布田2丁目35-2 HanajuuBld 2F
Phone: 042-426-8385
営業時間: ランチ平日:11:00〜15:00(LO14:30)/土日祝:11:00〜16:00(LO15:30)
ディナー 平日祝:18:00〜22:00(LO21:00)/土:17:00〜22:00(LO21:00)/日:17:00〜20:00(LO19:00)
Instagram: @ill_frogs